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■医療情報技師の定義(HIT:Healthcare Information technologist) senior 「保健医療福祉専門職の一員として、医療の特質をふまえ、最適な情報処理技術 にもとづき、医療情報を安全かつ有効に活用・提供することができる知識・技術 および資質を有する者」 「医療情報システムの観点からは、開発側の技術的素養を持ち、医療固有の情報 の特性に精通し、人的・組織的要因を含めて医療情報システムの運用管理に長け た人材」 |
■医療情報技師に必要な資質(医療情報技師の3C) Communication(意思疎通) Collaboration(協働) Coordination (協調) |
■上級医療情報技師の定義 「保健医療福祉分野でのシステム化にあたり、現状分析に基づいて企画を提案で き、開発、導入、運用の各段階において、適切な手順を理解し、リーダーシップ を発揮できる者」 「医療情報システムに関する専門的観点から、システム運用と企画構築を担う、 すなわち、保健医療福祉における情報ニーズを見出し汲み上げ実現すること、 情報システムの企画、開発と運用管理について専門職種間の調整ができること、 蓄積データから新しい知見を見出せること、さらに複雑な情報処理技術的な問題 に自立して対処できること等が必要である。これらの能力を統合して、保健医療 福祉の質の向上と、組織機関の合理的経営の支援を担える者をいう。」 |
■デジタル化の本質 「情報を電子化、つまりデジタル化するということは、まったく同じものをいくつでも 複製でき、時間による劣化から解放し、さらに検索や再構成を飛躍的に容易にする。 ICTは道具にすぎないが、ボールペンが道具であることと同じ意味の道具ではない、 情報の利用性の飛躍的な向上を意味している。」 |
■医療の透明性(情報の提供、公開、共有等) |
■医療側とベンダ側の調整 相互不信の関係からは、良い情報システムの構築は期待できない。 双方のコミュニケーションギャップを防止し調整が円滑に行われるよう 医療側とベンダ側の間に立つ役割を担う。 |
■外部監査 病院情報システムのみの外部監査は存在しないが、ISMS、ISO9001、 病院機能評価、プライバシーマーク制度がこれに該当する。 |
■医療情報システムの現状の問題点・課題 ①DB設計の基本的問題 ②標準化 ③医療用のインターフェイス・端末機器(完成度) ④データ活用 ⑤地域医療連携 ⑥保健医療福祉の連携 ⑦IT化の高コスト(IT投資比率は総予算の3%) ⑧ペーパレス・フィルムレス運用におけるデータの長期保存 ⑨複雑化したシステムのメンテナンスの困難 ⑩人材育成・確保 |
■医療記録の電子化の利点・問題点 〇-1)電子カルテの意義 ①手書き文字からの開放 ②情報の共有(施設内) ③ペーパレスによる人員、スペースの節約 ④データの紛失防止、長期保存 ⑤患者への情報提供 〇-2)電子カルテの問題点 ①高価な導入費用ならびに維持費用 ②レスポンス時間と診察時間 ③後利用における問題 ④将来ベンダが変わった際のデータ移行の問題 ⑤見読性、通覧性の難点 〇-3)電子カルテの課題と期待 ①情報の共有(異施設間) ②経営支援・臨床支援など、データの付加的後利用 |
■病院情報システムに求められる要件 ①処理の確実性 ②システムの頑健性 ③データの冗長化 ④データの継続性 ⑤データの機密性 ⑥分かりやすい操作性 ⑦速いレスポンス ⑧低コスト性 |
■紙運用と比較したシステム運用のメリットとデメリット 〇-1)システム運用のメリット ①情報伝達が迅速(伝達・蓄積) ②転記や再入力が不要 ③編集して見せ方を変えることができる ④正確な情報収集、表記の統一化が可能 ⑤検索・集計ができる ⑥保存スペースが小さく長期保存が可能 ⑦情報へのアクセスが迅速 ⑧紛失のリスクが少ない 〇-2)紙運用のメリット・システム運用のデメリット ①情報収集の柔軟性 ②紙媒体による情報伝達のメリット ③容認されている記録の真性性の甘さ 紙運用で許容されていたやや不適切な運用が禁じられる。 ④病院運用変更に対応しやすい ⑤情報分散管理による安全性 |
■病院側とベンダ側のコミュニケーションギャップを防止し、調整を円滑にするには ①お互いの立場を尊重する ②疑問点はその場で解決する ③図による説明と確認を行う ④議事録をすみやかに作成し確認する |
■人為的な障害の種類と誘因 ①ミスによる障害 ・確認不足・注意不足・知識不足・時間的切迫感 ②不適切行為(ルール違反) ・責任感の不足・知識不足・時間的切迫感 |
■人為的障害の対策ポイント ①確認不足、注意不足:重要な作業は2人以上で行う ②知識不足:システム運用管理のスタッフ研修、システム解説を充実する ③時間的切迫感:作業スケジュールに余裕を持たせる |
■システム障害への対応手順 ①障害記録票の起票 ②障害の切り分け ③障害の影響範囲の見極め ④関連部門への周知と協力要請 ⑤障害回復処理 ⑥障害回復の通知 ⑦原因究明と再発防止 ⑧障害報告書の作成 |
■ユーザが認識しておくべき主なHISの特性 ①情報 ・患者情報という極めて高い情報セキュリティを求められる情報 ・各医療専門職と患者とが共有する情報 ・電子カルテシステムに記録された情報は診療行為の証拠 (履歴の残らない変更・削除は不可) ②機能 ・多機能かつ複雑 ・システムの操作ミスが患者への危害に繋がる(最悪、生命の危機に及ぶ) ・365日24時間稼動しなければならないシステムであり、 機能停止は医療業務の停止に繋がる ・比較的簡単な操作による大量の患者情報の取得が可能(患者情報の漏洩リスク) |
■ソフトウェア障害の対策ポイント ①事前準備 ・障害対応マニュアルの作成 ・障害連絡網の整備 ・紙運用の確保(障害対策訓練の実施) ②障害の発見 ・ユーザにはどのようなエラーや異常も必ず迅速に通報してもらう ・ヘルプデスクの設置等による情報収集体制の整備 ・障害対応のユーザ・マニュアルの整備 ・データ集計結果の整合性への注意 ③障害への対応体制 ・システム提供ベンダとの迅速な連絡体制 ・施設内でのシステム開発SEを交えた検討体制あるいは、遠隔ログインにより システム開発SEが障害内容を確認できる環境の整備 ④修正プログラムの確認・適用 ・修正プログラムに誤りがないか十分にチェックできる環境の用意 (修正プログラムによる派生エラーの防止) ・修正プログラムを迅速に適用できる仕組みの用意 ・修正プログラム適用についてのマニュアルの整備 ⑤派生障害への対応 ・ハードウェア障害やネットワーク障害の早期発見、予防対応 ・ハードウェア障害やネットワーク障害に伴う障害の可能性を考慮した障害対応 |